青井橘  手紙書けばよかった。

いつかは届く。きっとやで。

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■ たまごの事件

本当に聞こえたんだってと言えば、はいはい、と笑われた。
でも本当に聞こえたんだってば。どうも信用してへんようだから、
以下に事件のぜんようを記しておく。

今日は休みの昼下がり、ゆでたまごを茹でるべく、冷蔵庫から卵を一つ鍋に入れた。
火をつけて後、どこからともなくピヨピヨという声が聞こえたのだ。
めっちゃちかく、リアルな鳴き声。

キッチンの窓下には鳩舎。でも鳩の鳴き声はぽぽほん、である。
私は換気扇を見上げ、そのあたりから聞こえる様な気がしたので、
小鳥が換気扇にはさまったのかしらん、と思い、
それはさぞかし痛かろう苦しかろう、と思い、
でも下手に開け閉め回したら、よけい小鳥にとって悲惨な結果になるやも、と思い、
考えたあげく、換気扇を回した。
他に何ができるというのだ。

その瞬間、ピヨピヨはとぎれ、聞こえんくなった。
おおやっぱり換気扇にいたのか、見えへんかったけど、と安堵。
しばし茹で上がるのを待つ。

ちょっと半熟程度になっただろうと鍋をあげたその瞬間、
ふたたび、ピヨピヨピヨピヨ。なにやら、さっきより切なげな。

まさか。

いや、それ以外考えられへんかったのだけど、
私は、その茹でた卵の中にヒヨコがいる、いるに違いない、
どこかにはそういうのを食べる文化もあると聞く、
いっきに卵と鳴き声と熱湯と、茹で上がった濡れたヒヨコを思い、
動けんくなった。
いったい、それ以外に考えようがあったのだろうか。

私は恐ろしくなり、気持ち悪くもなり、食欲もなくなったのだが、
何故かあらたな卵を茹で上げ、きちんとマスタードをつけて食べた。

その間、キッチンの上に転がしたままの疑惑卵は見てみぬふり。

そいで、あんたが帰ってきたから話したよねぇ。
私、全部話したよねぇ。細部にわたり、話したよねぇ。

でもあんたときたら、途中から半笑い、あげくにぷっと吹き出して、
「はいはい、どういうつもりでそんな嘘つくの」て。
嘘ちゃうわ!
ほんとにその卵、怖い事になってるんやで、知らんで。
私はぜったい割りません。中見ません。あの声はぜったい!

あまりの力説と鬼気迫る表情にあんたもちょっと怖くなったみたいやね。
二人してしばらく放置。
ところが、コーヒー入れてる間にあんた、ついでみたいに割るんやもん。
そいで、しげしげ見とるもん。
びびるわ、まじびびるわ、その度胸。

ちょっとむっとして、それから安心30パーくらいの割合で私をにらんで、
「ただのゆでたまごなんすけど」ゆうたね。

嘘やん、ぜったいありえへんて、怖いもんがはいっとるはず!
私は駆け寄り、
ちょっと奥まで見た?白身だけで安心したら怖い事になんねんよ!
とか言って黄身まで割って見せさせ、なんとか納得したけど。

あんたは、
「どうやら少し元気がもどってきたみたいやね」
てどういう意味?
納得したけど納得できへん。
あれは茹でられたヒヨコの断末魔。

なぜその怖い方面の想像を手放せないのか。

人間、たいていかんちがいを繰り返す。
人の本当嘘にしたり、自分の嘘を本当にしたり。
かんちがいを、かんちがい。
そして自分で怖い方面をつくりだし、酔っ払う。
でもかんちがい、されどかんちがい。

私はいまだ、あのピヨピヨについていまだ疑惑。
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コメント

WTV

ピヨピヨ何処へ行ったんでしょうね。僕はそのゆで卵よお割らんわ・・・

少しは元気になった?

青井橘

幻聴ではないですよ、必ず。

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