青井橘  手紙書けばよかった。

いつかは届く。きっとやで。

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■ オブジェ・オブジェクション

本当はすごく泣きたいし
悲しいし
それがなんぼのほど悲しいかということを
えんえん吐き出したいんじゃないか

とりあえずお前らそこに正座して
俺の話を聞け
オマエの話をしろ
とりあえず 泣け 喚け

こうべをたれてしょんぼりして
悲しみや混乱や怒りを
叫びたいんじゃないか

でもそれをしてしまったら
もう動けなくなってしまいそうで
もうどこにも行けなくなってしまいそうで

だから、喪失を受け止めるより忘却する
それでなんとか笑っている

そうやってだましだまし、そろそろと歩いて行く

そんな選択を、せざるを得ない状況がある

それは悲しみを包んだ、ケミカルな糖衣
あるいは、針を隠す綿の詰め合わせ

陰鬱であることが否定され
でもえらいことたくさんの人が
や、私も暗いです病んでますといえるツールを手に入れ
そっかあなたも
実はわたしも
え君らそうなん

というのが

そういうのってあるよね

となるのに

かかった時間があまりに短かった

「そういうの」のオブジェが配置された
無機質な美術館になるまでに

無言の人影がじっと立ち並ぶ
雑踏の景色になるまでに

だから今のこの悲しみに向き合えない
目を背け、きれいなものだけ見ようとする
乱痴気騒ぎをしてやり過ごす

めちゃんこ傷ついているんですけど
もう立ち上がれないくらいなんですけど


そういう露骨なこと言うとだめだよ的空気を
なんやかんやよってたかって作りだしてしまった
ここ三十年のこの国を

一度みんなで悲しんだっていいんじゃない

オブジェなんて壊して
心を固まらせたあれなんてぶち壊して

今目の前にいる人と悲しみを悲しみ合ってもいいんじゃない

などと

私は泣いて泣きながら
その涙が乾くまで寄り添ってくれる人の真綿にくるまれながら

えらそうに言って

その人の心も泣いているのがわかるから
今は泣きあおうね

そうなふうに過ごした春
この二ヶ月あまりの時を
もったいないとは思わないよ

共に泣いたら手をつないで歩いて行けるから









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■ キミは私でないのだからほんとうに手紙書けばよかった

あの頃、折り重なって眠る私たちのこと
もふもふの実験動物みたい、と思うことがあった
弱くて
寂しがりやで
運命に無力で

あの雨の日、雨音が好きなキミの寝顔みて
私は野良猫、キミは濡れた子犬、と決めた
飼い主がいなくて
いつも空腹で
用心深くて

そんなふうなさ
傲慢なさ
自己満足なさ
設定をしてたんだけど

悲劇的なね
感傷のね
ちょっぴり優しいね
設定にキミを巻き込んで

巻き込むことが暖かくて
寄り添いながら生きる感
それがお互い必要だったと

きっとそれはそうなんだけど
私の物語に巻き込んだキミを
いつの間にか私、もう一人の自分のように思ってた

キミがキミだけでしかない孤独のどうしようもなさを
他人が共感なんてしきれない部分を、私の設定に作り変えちゃった

かなしいこと、それいじょうに、寂しいことだよねそれ

痛みあったり、泣きあったり、抱きしめあったり、
キミが私じゃなくて私がキミじゃないからできたことが沢山あって
その温もり、安らぎ、愛しさを、
私が全部食べてしまってはいけないのだと、
分け合いっこしたから結び合えたんだと、

少なくともそのことに気がついて
なんだか私、キミを食べなくても満たされる

紙をむしゃむしゃ
紙をぱくぱく

そうじゃなくて紙には
手紙を書き続ければいいのだと

食べられない
キミは食べ物じゃない

食べ物じゃないキミに手紙を書くよ

もふもふの実験動物の暖かさを教えてくれたキミが
きっと笑ってすごせるように

もう食べたりなんてしなくて
せいぜい体の一部でしか繋がれないさみしさを

さみしさゆえに慈しむ

そんな愛し方を始められそうだから

優しくて傲慢な設定を解除したから

キミに手紙を書くよ

キミに手紙を書き続けられるよ







■ 果ての果てで、てかげんせずに

奪われることや、奪うこと
ありえるんだろう

善き人悪い人、そういうひと
いるんだろう

でもね、わたしは、その全体的な悲しみを
包んでいる悲しみが、悲しい

いつか、ここからいなくなること
それでも続いていく世界が、悲しいわけでも
怖いわけでも、もうなくなった

と思っていた

たった一人で行く先に、なにもないこと
無が、口を開いて待っている
それが希望なのだと
反転した希望なのだと
逆説の希望に焦がれてた

こんなに忙しい意識の世界から抜け出して
溶けて流れて解体してく
解体してく
解体、してください

なにかいるのなら、そのなにかが、してくれるなら
悪魔にだって祈るよ 解体してください

そんなふうに投げ出してみたけど無理

大切な人を失っても生きていかなくちゃならない時
そんな時がきっと来る
見ないふりしても駄目
ないことにしても無駄

いつか、それは来る

来たるべき悲しみに準備するため
今をてかげん、すべきなのだろうか

死がわたしとあなたをわかつ時
あまりに悲しまないために、
てかげんして愛して、
喪失を埋めてくれる綿を、
あらかじめわたしを満たせるものを準備しておく

あるいは、大切な人がここからいなくなったら
生きてなんていなくていいよ、としておく

わたしはね、どっちも違うと思うんだ
来たるべき悲しみを悲しみきるため
精一杯、愛するよ

やんわりと、人が人を見ている時代に
こんなこと言うの恥ずかしいけどさ
べつに、恥かいたっていい

愛した先の悲しみを悲しみきる
てかげんなんて、しないで

怖いよ怖いよ
とても怖いよ悲しいよ

てかげんなしで、悲しいよ

でも

もしかしたら、そんな悲しみだけが、
あなたともう一度、再会させてくれるかもしれないから

わたしはいま、ここで、共に生きる間
てかげんしないで愛するよ

動けない、生と死の間をさまよう人形になっても
涙が流れるなら、人形は生きています
悲しんでいます 
恐れています

てかげんなしで、
あなたを愛し、悲しんでいます

あなたを愛し、生きています



■ ありがとうがおかえりなさい

昔でも、今、でもいいや

住んでる人達の境界

そこらへんにある巨木の根元
あるいは巨石の上

なぞに、自分たちの作ったものを置いておく

貰った人はまた自分たちの作ったものを置いておく

でもね、どちらの人もその置かれてたモノの価値を知らないの

なんじゃこれ
あいつらのこれ、なんなわけ、ちょいキモ、食べれんの? くらいかもしんない

でも、価値がわからないから交換は続く

わけわかんないんですけどもらったし、今度は違うやつらにあげてみよう

見たことも聞いたこともない、わかんない、価値のないものがそうしてめぐる

そのうち誰かが、これってわりと良くね?キラキラしてね?ちょい嬉しいんですけど、となった時、そのモノは初めて「価値」を持つ

で、くれた相手にありがとうをかえしていく

え、そんなお礼言われるようなもんだったのあのわけわかんないのが

で、またありがとうをかえしていく

わけわかんないものがめぐり、いつか誰かにありがとうが届いた時、それはありがとうという価値のあるものだったと、はじめて知る

とまぁ、お勉強で言えば文化人類学なんだけど、こういうお話が好き

木の下や岩の上にあったわけわかんないものが、自分らへの贈り物だっていうのも勘違いかも知れない

いらないからかも
捨ててあったのかも

誰かに何かを貰ったんだ、わけわかんないけど
そう思える人間の勘違いからはじまったのかも

価値があるものないもの、そんなのだいたい決められちゃってると思い込んでる社会において

今のようにプロセスが見えない社会において

わけわかんないものが、ありがとうを連れて帰ってくるっていうの

価値をなんかでかい父親につけて貰うんでなく、ありがとうをまわしてくやりかたがアリだっていうの

ステキなキボウなんですよ

価値があるからお礼をするんではない

ありがとうが戻ってきてくれたわけ

それにありがとうと言いたいわけ

めぐっていく暫定無価値のなにものかを、贈り物されたのだという気持ち

価値はない
気持ちがあった

あのね、モノより心とか言ってないから

モノはモノ
心は心

価値でジョイントするのではなく双方が価値を産む

価値そのものなどという概念はない

どのジャンルにも

もらいました
ありがとう

だから何かを作る事はいつもプレゼントなのです

頑張って作ります

いま私の手にしてる紫色のへんなもの

価値を持つか持たないか楽しみです

■ 夢のつくりて

夢だったんだよ。


ラム、あれは夢だったんだ。


そんな感じのあたるの言葉。きょとんと目覚めるラムちゃん。

目覚める。
ラムちゃんは。
目が醒める。

あの場面でいつも涙があふれる。なんで泣くのかわからないよ、と君は言う。なんで泣くのかわからない君が好きだ。なんとなくわかるよという嘘で気を引かない君が。
憧れと本質と偽物を混同しない。人の夢を虚栄心と自己顕示の題材にしない。

一緒に泣けるから、同じ感度でいるから好きになるわけではない。
ましてそれがごまかしなら、むしろ牢獄。
私の感度を綻ばせ、穴をあけてくれるなら、私の感度の呪いにかかった言葉はひゅると抜け出していく。
わからないよ、という本質が、そんなに愛しい。

それは夢だよ。

弥次喜多で書き割りだった富士山が破れた時。

ウルトラバロックデプログラマーで、創られた張りぼての精神世界が解体されていくとき。

それはたいがい少しだけ正しく正しくはなく、間違ってはいず、なんだかやたら悲しい。

目を閉じれば夢。
目を開けば、夢。

正しくも間違ってもいないが、みていた夢ではない世界にいる、戻る、そこで始めあるいは続いていく事はひゃくぱー少なくとも間違ってはいないので、やたら悲しい。

無邪気なラムちゃん。鬼なのに。夢を見ていただけなんだ。

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青井橘

Author:青井橘
手紙書けなかった。
青井橘の手紙ページ。

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